2週間のバリバラの話 前編

piraです。

前々回はまあ……、過激な発言をしてしまって申し訳なかったです。

念のため言うと自分はあまり日本が嫌いという感情は一切ないです。

今のまま、安定した生活ができればいい……。

とは言いながらも、やはり収入とかぶっちゃけ低いし障害者ってだけで社会格差を受けたり、上級国民だからあまり追及しない等日本が抱える様々な問題を色々考えると

まあどうなのかなって部分はあったりします。

と、こういう話をしても無駄なので、話題を変えましょう。

先日、近所のファミマに行ったんです。ファミマ。

そしたらなんか「ポケチキ」とかいうからあげクン*1のまがい物が売っていたんですよね。もうね、何なのって思いましたよ。

お前らファミチキ売ってればいいのに何からあげクンに対抗しているんだって。

まあ実際自分も興味があって買おうかなあとか思ったのですが、

心の中で「これは買ってはいけない」と紅き鳥類が囁くので、結局未だに食べていません。

食べたことある人は是非感想をください。

本題

前置きがだいぶ長くなってしまいましたが……。

本題に移ります。

皆さんは「バリバラ」って見てますでしょうか?

ざっくり説明すると、バリバラは毎週木曜の20時からNHKEテレ(かつては教育テレビって呼ばれていたりした。)で放送されている情報・福祉番組です。

前から24時間テレビの裏で感動ポルノ*2批判をしたり、「ここまでやっていいの?」って思うようなやや過激な企画を行ったりして障害者を面白おかしく(なんていうと語弊があるか)なんかして、ここまで聞くと「多分一度は聞いたことや見たことあるかも!」って思う人もいるかもしれません。(まあ、これ読んでる読者のほとんどは普段から見ていないと思うんですけどね。)(実際毎週やっているってこと知ってる人間も少ないだろうし)(見たとしても出演者の方に目が向いたり。)(オタク特有の早口)(知識でマウントを取る)(コーナーで差を付けろ)

まあ文句言ってる自分も興味がある回ぐらいしか見ていなかったりしますけどね。はい。

とはいえ、バリバラたまに見ると結構深いんですよね。これ。

そんなバリバラにおいてこの2週間面白いものをやっていました。

それがこちら。

www6.nhk.or.jp

www6.nhk.or.jp

 テーマとして「障害者のいる職場」を題材としたドラマをやっていました。

これが結構考えさせられる内容でした。

そもそも今回のドラマの作成に当たっては昨年末に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題なんかもきっかけになっていたりして、

法定雇用率*3さえ達成すればいいと考える企業側の思惑と、

ただ雇えばいいという障害者側に対する配慮が薄いことによる職場でのトラブルなんかが描かれていたりして、風刺として濃い内容のものを見れたと感じました。

今回はその内容を見ての感想等を前後編に分けてまとめていきたいと思います。

前編の感想

シーン1:通勤

最初のシーンでは白状を持った視覚障害者が登場します。

 

それを助けるか見過ごすかという話。

私はこの中で白杖を上下に上げ下げ事が、「助けを求めるサイン」であるという事を初めて知りました。

シーン内においてはその様子を見て、「ダンスをしている」と表現されることがありましたが、

実際このサインを知らない人からすれば確かにダンスをしているかはたまた神に祈りを捧げているかのように見えるかもしれないですね。

その時に私は「こういった情報は当事者のみでなく、多くの人が知るべき情報である」と感じました。

実際障害の事なんてほぼほぼ当事者でないと深く理解しようとしないですよね。(私ですら知らなかったですし。)

それと、助けを求めず見過ごそうとする人も多いということ。

これもなんか「助けることが気まずい」みたいな空気があると思うんですよね。障害がある人のことなんて気にしなくていいやみたいな。

こういう先入観みたいなのがあるせいで結局障害のある人に対する配慮がうまくいかない原因になっていたりします。

ですので、助けることが気まずいという感情を無くしていきましょう。

というか困っていたら助けてあげることが大事です。

シーン2:面接

採用の面接のシーンでシーン1で登場した視覚障害者と新たに発達障害者が登場します。

視覚障害者に対し「パソコンか使えるかどうか」といった職務の質問をすることに対し、「目が見えないのだからパソコンが使えるか訊くのは失礼じゃないか?」と思い、聞かずにいたところ、当事者から配慮さえあればワード、エクセルが使えるとの回答が。

これに関しては「職務に関しての内容であればどんどん訊いていくべき」だと思いました。

この話の前に住んでいるところは景色が綺麗だよねみたいな雑談があったのですが、そこで足を引っ張ってしまって「視覚障害者に対してこういうことを訊くのは失礼かな?」という感情が沸いてしまったのだと思います。

障害当事者は仕事ができるのだから面接に来ているわけなので、職務に関わる内容であればどんどん訊いてもいいと思いました。

逆に職務とは関係無い話はあまりしないほうがいいかもしれません。(それこそ視覚障害者に対して景色が綺麗だとか聞くよりは職務の方が優先すべきでしょう。)

次に発達障害者が入ってきます。

 

部長は最初健常者と勘違いするのですが、履歴書を見て発達障害者だと知ります。

そこで「発達障害ということは障害者。色々聞くのは失礼なのではないか?」と思ってしまいます。

そこで発達障害当事者から「私のトリセツ」を渡されます。

そこにはこういう時はこうした方が良い、ああした方が良いなど仕事をする上での配慮が書いてありました。

こういった自分をプレゼンするという方法は良いと思いました。

それこそ障害と言っても人によって千差万別ですし、自分の事を知っているのは自分だけですしね。

なので障害と言うだけでその人自身を一般的な障害に対するイメージだけ見られてしまうよりは自分をプレゼンし、障害からくる症状で何が大きいか、どういった配慮が必要かを自ら伝える必要があると感じました。

もし伝えるのが難しいのであれば、福祉機関等の力を借りるのもいいです。(私は就労移行支援の職員と面接を受け、職員側から説明してもらうことが多かったです。)

シーン3:車いす女子目線

仮面女子の猪狩ともかさんの経験をもとにしたシーン。

猪狩さんは去年の4月に事故にあい、車いすでの生活を余儀なくされたのですが、

日常が変わった彼女にとって1年間に起きた様々な出来事は大変だなあと感じました。

とくに人が持ち歩く手提げバッグがちょうど顔の位置に当たるというのは考えてみると怖いですね。

車いすでの生活というものを少し考えてみる必要があると感じました。

シーン4:新人歓迎会

社員の歓迎会を開くが、社員が配慮を聞かぬまま計画を立て始めてしまうというシーン。

シーン中に「障害を乗り越えて頑張るのは偉い」みたいなことを言うのに対して「こういうこと言う人って腹立つよね」という当事者からの声が。

それこそ24時間テレビ的な感動ポルノへの風刺だったりするのですが、

まあ言われる側は腹立っても仕方がないですよね。

そもそも「障害を乗り越えて」という前置きをすること自体が障害者を下に見ているように思えるのです。

こう「障害者のくせに」みたいなニュアンスを含んでいるんですよね。

彼らはただ普通に仕事をしたり生活をしているわけなのに、障害者というだけで過大に評価をされる。

これが健常者が普通に仕事をしていたとしたら何とも言われないですよね。

そこのところを考えて頂くと「障害を乗り越えて頑張るのは偉い」という表現が当事者から煙たがれるのがよく分かると思います。

私も似たようなことを言われたことがあるのですが、まあイラっと来ましたね。(障害者は皆ああいうイメージではないと思っているので。)

なのでこの発言はかえって差別的であるという事を考えて欲しいです。

 

とまあ以上が前編の内容です。いかがでしたでしょうか。

次回は後編の感想を書いていこうと思います。

後編に続く。

 

 

*1:からあげクン:ローソンの定番商品。私は紅き鳥類の肉片こと辛口なレッド味が大好きだったり。

*2:感動ポルノ:先天性の骨形成不全症を持つステラ・ヤング氏がTEDカンファレンスにおいて提唱した概念。障害者や社会的弱者に対して、彼らの境遇を含みとして「感動をもらった、励まされた」という感情を煽るようなメディア表現に対し用いられる。

*3:法定雇用率:企業や民間企業が障害者の雇用を促進するために義務付けられた雇用しなければならない障害者の割合。