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4連休なので2本立てで普段のブログとは別に今こうして人生を変えたジャンルを書いている。
今回のテーマは「実況」
実況……ときくと、野球やサッカーなどといったスポーツ中継の実況を思い浮かべる人も多いだろう。
しかし、ここで言う実況とは「ネットにおける実況」という話をしたい。
さて、皆さんはSNS上で番組を見ながらツイートをしている人を見たことがあるのだろうか。
まあ自分も何らかのテレビ番組を実況していたりするので、ファンの間ではこうした実況文化というものはごく当たり前のように行われている。
実は自分はかつてこうした実況ツイートに対して「気持ち悪い」といった嫌悪感を抱いていたことがある。
10年近く昔の話なので最近のフォロワーであれば自分が荒れていたころの事など、そんなに気にはしていないかもしれないが、今でもたまに「お前アニメ実況気持ち悪いと思ってたよな?」といった声をいただくことがある。
しかし、この実況ツイートに対する嫌悪感がきっかけで私は今こうして実況ツイートに対して理解を深めるまでに至っているし、荒れてた自分を助けてくれた人のおかげで人生が変わったというような経験をしていたりもする。
今回も実況との出会いの話から、自分自身が実況について考えること、そして昨今の感想を呟くということについて語っていこうと思う。
実況との出会い
私がネットにおける実況と出会ったのは2011年の初頭頃だったと思う。
当時の自分はとにかくフォロワーを増やしたいと考え、自分が好きだったポケモンの話をしている人をとにかく片っ端からフォローしていった。
そうしていく中でフォロワーが1000近くを迎えたころ、私がいつものようにTwitterを覗いていると、TLが何やら見たこともない光景になっていた。
それは毎週日曜の5時に起きており、その当時の自分にとってなにやら異様な雰囲気があったのを覚えている。
そして調べてみるとどうやら「スタードライバー」というアニメが放送されており、TLでみんながそのアニメを見ながら何やら呟いていることが分かった。
私はその当時アニメを見ていなかったこともあり、こうした光景を見ては少し怖さを覚えていた。
この光景を分かりやすく説明すると、世にも奇妙な物語にあった「ズンドコベロンチョ」*1という話のようなものである。
その件があって自分はスタドラを見てみようかなーと思ったりもしたのだが、その頃にはアニメも終盤に近付いており、今から見るのは遅いと思って見るのをやめた。
アニメ実況は気持ち悪いと言い始める
それから私はスタドラの次に日曜5時に放送が始まった「青の祓魔師」*2を見始めることにした。
日曜5時にアニメを見ていることはその当時の自分にとってハガレン以来だったように思われる。
そして毎週のように青の祓魔師を見ては実況をしていたのだが……
その頃にたった一人しなかった当時の友人に「お前は気持ち悪いからもう話しかけてくるな」と言われる。
そしてここから友人を失い、一人になってしまった私はゲームとネット以外にすがるものが無くなった。
そしてその頃自分は「こんな自分にかまっている奴らはみんな気持ち悪い」と考えるようになり始める。
そこから炎上目的として「アニメ実況をするオタクは気持ち悪い」と思うようになった。
FEにはまる世界線へ
それからというものの、毎日実況ツイートが行われるたびに「実況ツイートするオタクは気持ち悪い」とか「フォロワーは全員気持ち悪いと思ってる」とか言うようになった。
フォロワーは気持ち悪いというのはひどいと思うかもしれないが、あの当時はまっていたポケモンの配信者の影響からフォロワーを煽っていくスタイルを取っていくことが良いことだとされていた。
しかし、だんだんと人が離れていき、それが自分にとって辛く感じてくるようになった。
そうした中で辛くなった自分は「もうアニメ実況は気持ち悪いだなんて言わない」と考え、全てを受け入れることにした。
それからは「マギ」や「七つの大罪」や「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」*3といったアニメを見るようになり、日曜5時にみんなで盛り上がったりしていた。(特に鉄血のオルフェンズは毎週見てた。)
更にニチアサタイム*4にも実況に参加し、仮面ライダーを見たりしていた。(最近始まったセイバーから復帰しようと思ったが、1話が始まったのを忘れていたのでもう見ていない。)
そうして改心をした時にとあるフォロワーさんが自分に声をかけてくれた。
そしてその人が後に私がファイアーエムブレムをやるきっかけをくれた人だったのである。(人生を変えたジャンルpart1:FE編を参照。)
当時の自分はSRPGをやらず嫌い*5しており、FEもロストのイメージから怖くてやりたくないと思っていた私だったが、今ではFEをやりたいがためにSwitchを買おうか悩んでいるわけである。
今でも私は「この出来事が無かったら多分今頃FEにはまってはいなかっただろう」と思う。そのぐらいこの出来事は自分の人生の特異点のようなものであり、FEにはまらなかった世界線を生きていた可能性があったかもしれないと感じている。
ネットにおける実況について思うこと
さて、こうしたネットにおける実況を見ていて私はだんだんとこう考えるようになった。
それは「みんなで街頭のテレビを見て騒ぎ立てる」ようなものだと感じている。
テレビがまだ普及していない昭和の時代には街頭テレビに人が集まってプロレスを見たりしていたという風景が見られた。
今やテレビは一家に一台存在し、わざわざ人の家に行ったり、集まったりしてテレビを見るということは無くなったのだが、SNSを利用することでファンと繋がることが簡単になり、同じ番組を一緒に見てはその話題を共有することができるのだと感じている。
SNS上での実況はまるで茶の間という空間がネットの繋がりによって一つの大きな空間へと変化させたのだと思っている。
感想を呟くということ
そして、実況とは別に最近は漫画誌の感想を呟く人も多い。
毎週ジャンプが発売されてはその話題がSNS上のトレンドになり、多くの人が感想を共有しあっている。
そうした光景は作者にとって喜ばしいものなのだが、一部では問題が生じている。
先週あたりからキン肉マンのネタバレというものがネット上を騒がせている。(今はあまり聞かないが。)
SNS上ではどうしてもネタバレというものは避けられない。今回の件もトレンドにキン肉マンの展開がネタバレされたような感じになってしまった。
こうした中で文字だけの感想に関しても訴訟を辞さないという考えを示した集英社側のコメントによってキン肉マンの感想を呟くことをファンは自粛するようになった。
しかし、こうした感想の共有というのは私がスタドラに興味を持った時と同じように人によってはキン肉マンに興味を持ったり、かつてキン肉マンを読んでいた人達を取り戻すきっかけになるのではないだろうか。
さいごに
人生を変えたジャンル実況編。いかがだっただろうか。
ファンが作品について語り合い、盛り上がる。
こうした光景というのは見ていて制作側は嬉しいのではないだろうか。
そして私のように異様な光景を見て気持ち悪いと思う人もいると思うかもしれないけれど、興味を持ってくれる人が現れることによりファンの拡大ができることが相乗効果を生むと私は考える。
SNS上ではネタバレがどうしても付き物だが、悪意をもったネタバレをせず感想を呟いたりテレビ番組の実況をしたりして盛り上げ続けていってほしい。
*1:ズンドコベロンチョ:この世に知らないものはないと自負する主人公が、ある日「ズンドコベロンチョ」という謎のワードを彼の身の回りの人が耳にすることを聞いて困惑してしまうという話。
*2:青の祓魔師:ジャンプSQにて2009年から現在も連載されている漫画。アニメの方は2011年春に放送された。
*3:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ:2015年から2017年にかけて放送された「ガンダムシリーズ」のTV作品。細谷佳正演じるオルガ・イツカの「止まるんじゃねえぞ」が話題になりがちだけどオルガの死は当時びっくりした。なるべくなら1期から見て欲しい作品である。
*4:ニチアサタイム:テレビ朝日系において日曜朝の特撮やプリキュアが放送される時間帯。8:30~10:00までの時間。
*5:やらず嫌いしてた理由として一つのマップをクリアするのが長いというイメージがあったからである。SRPGに関してはスパロボ等をやったことがあるのだが敵を全滅したと思ったら増援がやってきたりして「これいつ終わるんだ」と感じたり、ユニットを動かすことすらめんどくさいと思ったりするぐらいであったりした。