「介助者」とは何か

pira先生です。

先週は風邪による体調がやや回復傾向という状態だったのですが

今では完全に復活を果たし今週から仕事に行っていたり、色々と活動を再開しております。

ただ、その一方で災難続きでして、部屋の電気が切れたりなんかして本当に大変な1週間でした。

レンタル障害者の話

とまあ災難だらけな1週間だったわけなのですが、今年から再びブログの方を毎週更新に戻していきたいといったところで、月曜の夜くらいから界隈を賑わせていた話題がありました。

その名も「レンタル障害者手帳持ち」です。

どういうことかと言いますと、障害者手帳を持っていると例えば映画館で割引を受けられたり美術館や博物館なんかを無料で入れたりするわけなんですけど、

実はこれ介助者と言って当事者の同伴者数名も割引の対象として受けることができるんですよ。

それでこのサービスの発案者はこの介助者割引を利用してそういったサービスを利用しませんか?という内容をツイートしたわけです。

「介助者」とは何か

これを受けてまず私が思ったのは「介助者とは何かを考えているのか」ということです。

私自身の考えにはなるんですけれども介助者というのは障害当事者を支える立場にある人のことであり、そのためには当事者を理解し支援できる存在である人でないとなれないものだと思います。

具体的に言うと保護者、支援者、友達や恋人などお互いが障害に対して認識を持っており彼らの事をよく理解している間柄で利用されるもののはずです。

もし仮に私がこういった介助者割引を利用する機会があるとしても決して赤の他人に介助者になってもらいたいとは思いません。

今回の件に関して厚生労働省は介助者の定義について「家族や友人、医療機関の人といった当事者に近しい人」というのが前提であるとし、こうした使い方は継続的に行われれば、犯罪に問われるケースもあると述べています。

実際アメリカの事例として、2013年ごろに障害者のディズニーランドへの優先入場券を富裕層が購入し、それが悪用された結果米ディズニーランド側が障害者の優待制度を変更したという事例もあります。

こうしたように、介助者の割引を赤の他人に渡すということは企業や公共機関からすると意図しない利用により不利益を被ってしまうわけです。

レンタルサービスに関して

その一方、発案者の方はレンタルサービスを利用して交流を深めたいと考えているそうで、今回のレンタル障害者による介助者割引に関しても赤の他人が介助者になっても構わないみたいなスタンスを取っているように感じるので介助者とは何かを問うても無駄な気がする。

実際こうしたレンタルサービスというのはレンタルなんもしない人*1とかが有名だったりするんですけどああいうのだって人という資源をビジネスとして利用しているわけですし。

今回のレンタル障害者も当事者自らが考え(裏口ではあるけれど)ビジネス化しようとして思いついたみたいな部分もある気がするんですよね。(当人はADHDだって言ってたかな?)

だから本人の主張を見ていると悪気は無さそうに見えるし、赤の他人が介助者なっても別にみたいな感じなんですけど、今回のサービスの発案で改めて介助者とは何かというものをみんなで考えていく必要があるとは思いました。

まとめ

本来であれば保護者や関係者を想定して利用されるはずの介助者制度が、当事者によってこういう抜け道をつかれてしまったということ、これは今後介助者制度や手帳の制度への影響を与えることになるかもしれません。

私自身も映画館の割引や美術館の割引など手帳の恩恵を受けることはあるのですが、それによって生活は助かることはあっても、何故割引を受けられるのかを一度考えてみる必要があります。

私はこうした手帳の割引によって美術館などで見聞が深まったり、障害者の活動の機会が増えると思っています。

最近だと庵野秀明展とかは行ってよかったと思うし、それも手帳が無かったらなかなか踏み出す機会は無かったかもしれないですしね。

ですから障碍者手帳を持っている方は保護者とか知人とかお互いを分かり合える人達と一緒にこうした割引を利用したりなんかして活動の機会を増やしていってください。

それと介助者とは何なのかというのを改めてみんなで考えていきましょう。

 

 

 

 

*1:レンタルなんもしない人:2018年から活動しているTwitterアカウント。ゲームの人数合わせや花見の場所取りなどそこにいるだけで何もしないことをビジネスとして生計を立てている。