人生を変えたジャンルpart10:こちら葛飾区亀有公園前派出所編

 

part10ということでまえがき

piraです。

2020年の2月に始めたこの「人生を変えたジャンル」も

今回の連載でなんとpart10を迎えることになりました。

書き始めた頃は「一日でも早くコロナが収束して欲しい。」と思い、

「コロナ禍の今、自分にできることは何だろう。」と考えた際、

東日本大震災が起きた2011年度に私はファイアーエムブレム音楽ゲームという2つのジャンルと出会いそれが今の自分を作り上げた。」「私のようにこの連載がきっかけで未知のジャンルと出会うことによって、人生を変えるような出会いをする機会を作ることができるのではないだろうか。」という思いを込めてこの連載を書き始めました。

それからおよそ2か月。緊急事態宣言の延長もあり、まだまだコロナ禍は収束の余地が見えず、私達は暗闇の中を突き進んでいます。

自粛によって周りからあらゆる文化が無くなりつつある中で、私たちは様々なジャンル

から勇気や希望を貰い、そしてそれらが時として人生を作り上げたり、人生を変えるほどの大きなものであったということを忘れないで欲しいです。

そして、私のブログがきっかけで一人でも多くの人の心の中に「人生を変えたジャンル」を作り上げることができたとき、私は「この連載をやってよかったな」と思えます。

まえがきが長くなりましたが、part10の方をお楽しみください。

 

人生を変えたジャンルpart10

前回↓

 

pira365.hatenablog.com

 

 人生を変えたジャンルpart10

今回のテーマは「こちら葛飾区亀有公園前派出所

https://av.watch.impress.co.jp/img/avw/docs/1017/172/kame2.jpg

こち亀」の愛称で知られ、1976年から2016年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載されていたギャグ漫画だ。

総巻数にして全200巻という日本の漫画史上において最長の巻数を誇ることでも知られており、「巻数の多い漫画といえば?」と聞かれたらほとんどの人がこち亀の名を挙がるだろう。

そんなこち亀なのだが、2020年の今年。私は「毎日こち亀」と称して全200巻を読むことを目標にこち亀を毎日読んでおり、この度折り返しの100巻に到達した。

そこで今回はいつものようにこち亀との出会いとこち亀100巻までを振り返ることをメインにこち亀について語っていこうと思う。

こち亀との出会い

こち亀との出会いについて語るわけなのだが、正直人生を変えたジャンルと言いながらこれと言って思い出が無い。*1

ただ、こち亀を人生で最初に知ったという形で語るのであればアニメがきっかけであろう。

1996年から2004年まで日曜のゴールデンタイム*2に放送しており、楽しく見ていた。

今の子どもたちは知らないだろうが、この時期のゴールデンタイムというのはアニメがよく放送されていて、月曜には犬夜叉*3名探偵コナン、日曜にはこち亀やワンピースなんかが放送されていたりした。

話が逸れてしまったが、しばらくして私はブックオフにて人生で初めてこち亀の漫画と出会う。

そして100巻以上並んだこち亀の単行本を見て驚愕した。

漫画の単行本で100巻というものを多分生まれて初めて見たと思う。

こち亀の単行本を読んだのはそれから私が中学生になっての事だった。

その当時はこち亀は150巻ぐらいまで出ていて私は150巻まで読んだ。

そのため、「この回は読みづらい回だった」とか「GIジョー*4の特集とかすごかった」とかといった記憶を毎日こち亀を読みながら思い返すこともあった。

そして、150巻以降も徐々に巻数を伸ばすこち亀を見て「おそらく作者か自分が死ぬまでは(こち亀は)永遠に続くだろう」と思っていた。

そんな中で2016年の連載終了の話を聞いたときは衝撃だった。

しかもこち亀の連載終了は大々的に報道され、NHKのニュースとしても紹介されるぐらいその反響は大きかった。

毎日こち亀を読み始めて

 さて、毎日こち亀を読み始めて思ったこととして、ここからは100巻までを振り返ることにしようと思う。

まずなんといっても初期のこち亀は時代を感じると思ったことである。

というのも、こち亀の連載が始まった昭和51年というのは、まだ500円が硬貨ではなく紙幣だったのである。

そのため作中には500円札が普通に出てくるし、500円玉に変わった時には物珍しさではしゃいでいるシーンもあったりする。(その後に古い貨幣に価値が出てくる話が出てきて後悔したりするんだが。)

あとはなんといっても麗子や本田などといったおなじみのキャラクターが出てくるのが10巻以降であるということ。

特に麗子はレギュラーキャラの割に登場が遅く、その間麗子の代わりにレギュラーを担っていたキャラがいたのをご存じだろうか。

そのキャラと言うのが「犬」である。

スヌーピーのようなデザインをしたこの犬と言うのが初期の回にはよく登場する。

そして麗子が出てくるにあたって、初期の設定において犬が嫌い*5ということで犬は徐々に出番を無くしていく。

あと実際に作者が出てきてネタが思い浮かばないみたいな回もあって、40~50巻辺りは両さんの顔がいじられる系のネタが多く、ネタ切れ感が否めない内容のものも多い。そう言いつつも1か月分のストックを貯めていたのだからまあすごいものである。

そして平成になると、ゲームやアニメなどといった特集回というのが増えてきて、

たまごっちやプリクラなど90年代を代表するアイテムがよく登場する。(あとは90巻後半はパソコンの特集が多くなったりする。)

こち亀の読みづらい回や変わった回

そんなこち亀なのだが、所謂「実験回」として読みづらい回や変わった回というのがいくつかある。

代表的なものとして27巻の全ページ横書きの回がある。

縦書きが主の漫画にとって読者には非常に読みづらいことはこの上ないが、その1コマ1コマには迫力を感じた。

また61巻のハーフサイズ漫画*6は実験的だとは思いつつ、ハーフサイズ漫画とは何かから秋本先生がこち亀で実験的にやってみようという意識が強い回だったと思った。

ちなみに100巻以降にもこういった実験的な回というのはあって、

英語圏を意識して全ページのコマを縦書きではなく横書きにしてみたり(104巻)

151巻では当時の脳トレブームを意識してか本を回転させて読む(ページの印刷ミスではない。)なんてことをやっていたりもする。*7

こういった回ができるのもこち亀ならではなのだと思う。

そういう意味でこち亀は40年間常に漫画の可能性を追求し続けた漫画であったといえよう。

さいごに

というわけで人生を変えたジャンルこち亀編いかがだっただろうか。

長寿漫画の代名詞として知られる本作は戦後日本という時代を面白おかしくうつし、漫画としての可能性を40年追求し続けたことが見てとれた。

毎週毎週読者を飽きさせない、そして時代のトレンドを追い続けたからこそこち亀は200巻も続く国民的漫画になったのだと思う。

この私も、この連載を始めてから読者が様々なジャンルの沼にはまってほしいと強く願っている。

そのためにもまずは読者を飽きさせないこと、そして時代を知るという事が大事だと思った。

*1:part4の最後にも書いたのだが、part5以降に紹介しているジャンルは人生が変わったというほどのものでもなく、ジャンルの沼を紹介することを目的としているため。

*2:ゴールデンタイム:テレビの視聴率が取りやすい午後7時から午後10時までのこと。

*3:犬夜叉:1996年から2008年まで「週刊少年サンデー」にて連載されていた高橋留美子原作の漫画。女子中学生のかごめが戦国時代にタイムスリップして犬夜叉らと一緒に四魂の玉のかけらを探す物語。2020年の秋には犬夜叉殺生丸らの子供が活躍する「半妖の夜叉姫」が放送予定。

*4:GIジョー:ハスブロ社が販売している男性向け人形玩具。

*5:後期になると段々この設定も死んでいく。

*6:ハーフサイズ漫画:1ページに2ページ分の漫画を載せたもの。いつもの2倍のページ数にはなるが、こちらも全ページ横書きでまあ読みづらかった。

*7:ちなみに151巻はこの企画をやる前にブックオフでたまたま読んで衝撃を受けたというのが今の気持ちである。