前回↓
今年の2月から始めてきた人生を変えたジャンルーー
コロナ禍の今、私にできることは何だろうと思いながら始めつつ年末を迎えてしまった。
そして、ありがたいことに今年の俺的流行語大賞の大賞をいただくことができた。
まさに今年1年を振り返ったときにこの企画をやってよかったと思う。(まあ選んだのは私だが。)
とはいえコロナは現在1波2波よりも強い第3波が来ており、2021年も油断ができない年になりそうだ。
さて、今回紹介するジャンルは今年日本を大きく騒がせたジャンル「鬼滅の刃」である。
2016年から2020年にかけて週刊少年ジャンプにて連載された吾峠呼世晴作の漫画だ。
連載当初は今ほどの人気があったというわけではないのだが、2019年に放送されたアニメから火が付き爆発的なヒットを叩き出す。
そして2020年。アニメ終了後もその人気の勢いは衰えるどころか幅広い世代からの支持を得ることに成功し、アニメだけでなく映画においても日本における歴代興行収入においてタイタニックを抜いて歴代2位を記録(掲載当時)し、原作となる漫画はつねにオリコンランキング上位を獲得し、品切れが相次いだ。
また数多くの商品とコラボし、今の日本において鬼滅の刃に触れずに生活する日は無いといってもいいかもしれない。
私も鬼滅の刃はアニメから入り、映画を見て原作を全巻読むぐらいにはまってしまった。一時はpiraの呼吸なんていったりしながら7つの大罪編を書いていたりもしたのが懐かしい。
しかし、当初自分は鬼滅の刃に対してハマったら負けだと思っていた。あまりはやりものにとっつきたいという感情がわかなかったのである。
今回も鬼滅の刃との出会いをはじめ、私が鬼滅の刃を読んで思ったことや鬼滅が流行るまでジャンプはオワコンだと思っていた話などをしていこうと思う。
自分がはまるジャンルの傾向
さて、出会いに入る前に一つ話したいことがある。
これまで数多くのジャンルをこの連載にて紹介してきたわけなのだが、
その中で私が紹介するジャンルと言うのはとりわけマイナーなものが多かったと思う。
実際私がFEや音ゲーにはまり始めた10年前というのはそれこそ周りで語れる人は少なかった。
そしてそれらのジャンルを語れる人は少なく自分の中だけで心を落ち着かせるためにその世界へ浸っていた。
それからというものの自分はとにかくオタク寄りなジャンルにはまりがちになり世間一般の人と共通のジャンルを持つことが無い人生を送ってきていた。
そんななか今回連載としては初めてメジャージャンルを取り上げることになる。(まあ他のジャンルをマイナーと言うのもあれだが。)
人生を変えたというと大げさかもしれないが、皆さんも鬼滅の刃と出会って何か心を動かされたものがあると思う。
人生を変えたジャンルとはそんな一人の人間のジャンルとの出会いによる心の動きを描いたものであることを了承の上、読んでみて欲しい。きっと何か響くものがあるはずだ。
鬼滅の刃との出会い
私が鬼滅の刃と出会った(というか知った)のはおそらくアニメ終了後辺りからだったと思う。
その頃からちょこちょこと「鬼滅の刃は面白い」とTwitter上で耳にするようになり、「そんなに面白いなら」と思う反面「はやりものに乗っかるのもなぁ……」と思いつつあった。
というのもはやりものに乗っかることに対してちょっとした拒絶反応みたいなものが起きていたのである。
進撃の巨人*1が流行っていた頃に、進撃の巨人が好きだと言っていたら「お前あんなのが好きなのかよ」ってdisられたこともあるし、私と仲がいい人は大体流行りものを嫌う傾向にあって、そういった人たちと意見を合わせなければいけないと思って「鬼滅の刃、はまったら負けかな。」と思いつつあった。(ちなみに同様の理由で米津玄師*2も「あんなボカロ上がりの人間好きなのかよ」と思われると思っていたのではまったら負けだと思っていた。)
しかしそんな自分も最終的には鬼滅から逃げられなかった。(というか自分からはまりにいった。)
強くなれる理由を知った
私は良くファミマに行くのだが、そのファミマの中で本作の主題歌である紅蓮華が流れていた。
「かっこいい曲だな~」と思いながら聞きつつ「これ何の曲なんだろう」と思いながら聞き取ったサビの歌詞を打ち込んで検索をしてみるとようやくここで鬼滅の刃の曲であることを知る。
そこで「この曲だけでも聞いていたい」と思いながら当時エヴァを見るために加入していたNetflixにおいて本作が配信されていることを知り「せっかくネトフリ入ってるなら鬼滅全部見るか」と思ってエヴァを全部見た後で鬼滅の刃を見始めた。
鬼滅の刃を見て思ったこと
そんなわけで鬼滅の刃を観るわけなのだが、1話からすごかった。
なんというかジャンプらしくないと感じたのを覚えている。ジャンプと言われなければ分からないぐらいだったかもしれない。
第1話で炭治郎の家族が殺されるのだが、それまでの炭治郎はなんというかジャンプの主人公と言われても海賊王になるのが目的のルフィとか万事屋をやっているけど実はかつて白夜叉と呼ばれていた銀さんのようにジャンプのバトル漫画の主人公のお決まりみたいなものが無く、家族が殺されなければ普通に生活していただろうと思ったからである。
そして何より炭治郎は性格が優しい。鬼がかつては人間だったということを知っているからこそ「成仏してください」という言葉が出るだろうし、その上で、罪のない人間を手先として利用する鬼無辻無惨に対して激しい憎悪を抱いている。
どんな敵であろうと悪い奴は悪いから情けは無用というのがジャンプのバトル漫画のイメージがあったので敵に情けをかける主人公像は珍しいと言えた。
そういった家族や鬼と化した者達の心を理解する姿が多くの人の心を掴み、これほどの人気を集めたのだろう。
ジャンプはオワコンだと思っていた
さて、鬼滅の刃の連載が始まった2016年ごろ、ジャンプはというとやや下火になっていたと思われる。
というのもこの頃のジャンプは人気作品が次々に終わりを迎えオワコン*3と言われていたように思われる。
鬼滅の刃の連載が始まった2016年にはこち亀の連載が終了しているし、同年には2001年から連載していたBLEACHも終了している。
2年前となる2014年にはONE PIECEと並んで人気を集めていたNARUTOも連載を終了しており、2010年代以前の作品は「ONE PIECE」「HUNTER×HUNTER」「銀魂」の3つだけになってしまった。
そうなると「今のジャンプは何が面白いんだ?」と単行本派だった私は思っていたし、本誌の話題も今ほどではなかったように思われる。
そんな中で近年になり本誌派のSNSへの口コミによりジャンプが勢いを取り戻してきたように思える。
秋よりアニメが始まった呪術廻戦も原作が面白いとアニメ以前から耳にするようになったし、先日本誌にて第一部が終わったチェンソーマンもジャンプを買わない自分でも興味を持つほどにまでなった。
そしてそれらの話題を見るたびに「ジャンプはオワコンと思っていたけど、何があるか分からないな」と思った。
今ジャンプで連載されているのはほとんどが2010年代以降の作品であり新鮮味があるが、いつどこで鬼滅ばりの人気が起こるか分からない。そう考えると本誌派のSNSでの口コミが今のジャンプの売上と大きく影響しているのではないだろうか。
まとめ
というわけで鬼滅の刃編いかがだっただろうか。
ジャンプはオワコン。そう思っていた自分がちょっと恥ずかしい。
とはいえジャンプを読まない層である私からするとまだまだジャンプは勢いはあるし、SNSの口コミがきっかけで第2の鬼滅が生まれる可能性もなきしもあらずと感じた。
そう思うと今のジャンプを支えるのは本誌を読んで面白い漫画を発掘してくれる人なのかなあと思ったりもするのであった。