森博嗣「集中力はいらない」を読んだ。

piraです。

いやーようやく考思感になって初めての出番ですよ。

まあここしばらくは少し緩めにやっていこうかなーって思ったりしていたので、

そこそこ休めたなーって思っていたりします。

とは言ってもnote*1で色々書いていたりしたので、それほどでもってところではあったりしますけどね。

集中力はいらないを読んだ

今回のブログは本のレビューです。

本のレビューをするというのは今回が初めてだったりするので不安な部分もあったりはしますが……

今回紹介する本は私の大好きな作家森博嗣*2氏の新書「集中力はいらない」です。

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本を読むきっかけ

この本を読もうと思ったきっかけは自分自身それこそ集中力が無い人間でして……

しばしば両親からは「集中力が無い」「ながらスマホのようなマルチタスクが主な普段の生活習慣が重要な物事に対して目を向ける力を低下させているのではないか。」などと言われることが良くあります。

その度に「改善するための方法は考えていないのか?」とか「どうしたらそれは治るのか。」などと言われることが多く、発達障害からくる課題にも近かったりして、自分としてもどうしようもない問題(とは言っても改善しなければならないことだが。)にぶち当たったある日。Twitterのフォロワーから「お前の大好きな森博嗣がこんな本出してたぞ。」と紹介してくれて、ちょうど自分自身も「集中力ってなんだろう」って思っていた事もあり読むことにしました。

感想

まず、結論から言うと非常に興味深い内容でした。

まえがきにて森博嗣は「集中するということは機械のようになれという事で、集中力と言うより機械力と言う方が正しい。」と述べています。

 人間ってどうあがいてもミスをしてしまう人間なんですよね。100%失敗しないとは限らないわけですし、そのミスを補うために人はあらゆる技術を発明してきたわけで、それでも失敗する。

じゃあどうしたら100%失敗しないかといわれたらそれはもう機械になることしか無いんですよ。機械であればプログラムのミスが無い限り決められた仕事をこなすわけですし。

一点集中より分散して考える

この本の中で特に印象深かったのが、「物事に対して一点集中して思考せず、分散して考えることの方が大事である。」という考え方です。

これは色々なことに活用できる考え方だと思っていまして、

分かりやすい例で言うと例えばカードゲームでAとBという同じコンセプトの異なるデッキを使う時に、苦手なCというデッキを相手にしながらAで戦ったときの経験をBに活かすための経験値に置き換えるにはどうしたらいいか考えたり、AとBはどちらが環境的に割に合っているのか、例えばAならばカード単体の攻撃力が大きいが単体除去はきつい。Bなら数で圧倒するが全体攻撃はきつい。などといったデッキを分析することで、どちらを使うかを考えたりできるわけです。

つまり「決着をつけたいならこれ!」みたいな感じでAという感覚で選ぶのではなくて「Aは確かに強いけど、似たようなBではあればAが不利な盤面にも対応できるな」という考えを持つことが大事なわけです。

集中しすぎて反応的になっている

特にこの分散思考という考え方ではなく、一点に集中する考え方が進んでいる現状について私は「自分視点で物事を判断し、その一点に集中するあまり、反応的になっているのではないか」と思いました。

カードゲームという緩い事例で分散思考を紹介しましたが、24時間テレビの時だけバリバラ見るなんてのも「24時間テレビが嫌いだ!」という考えが先行しすぎて条件反射的に批判して、バリバラを見て障害者について理解した気になり、その時だけで止まっている。これも反応的になっている事例の一つと言えるのではないでしょうか。

何度もブログで語っている通り条件反射的に批判して障害者について理解した気になっているのも、結局はその時だけで、結果的にやっていることは24時間テレビを見ているのと全く変わらないんですよね。

また、流行に乗りすぎるというのもこの反応的になっている事例とも言えます。

note.mu

この話に関してはnoteにて書いてあるので簡単にかいつまむと、流行に乗りすぎて周りが見えなくなってしまっている。

Twitterのトレンドなどと言った流行に対して条件反射的に乗っかってしまっていることは危険であるということです。

 

これに関しては本書では「人間としての個性を失いかけている。」述べています。

そこから「SNSに話題になっている事柄に対してとりあえず反応を示し、煽動された情報に対して共有し、それで満足をする。」という機械的な動きを人間はしていくだろうと続いていきます。

つまり側面を見ずに、自分に入ってきた情報に対して何も考えずに「とりあえずみんながこう言っているから俺もこう言わなきゃ」みたいな集団心理と合わさることで「みんなこう言っているけど本当にそうなのだろうか?」「とりあえず乗っかってみたけど、普段から考えるべきなのではないか?」と考えることが無くなり「とりあえず反応しておこう」と自分の中の領域だけで留まってしまっているのが現状なのです。

これが一点集中を重んじる結果生まれた産物なのです。

さいごに

一つの事に集中するということ、それは必要な場面はあるにはあるのですが、どんな事にも一点だけで考えると、人間としての機能を失うと本書を読んで思いました。

考える力というのは大事ですし、普段からあらゆる側面で考える習慣を付けなければなぁ……と思うものもありました。

余談

今回のブログとは全く関係のない話なのですが、一つ言いたいことがあります。

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10月17日のバリバラにて8月に放送した2.4時間テレビの番外編が放送されます。

2.4時間テレビでは語れなかった性について深く紹介する回なのでぜひ見て欲しいです。

あと24日の分も発達障害と関係がある話だったりするので、ぜひ見て欲しいです。

まあ、こういう事言っても反応的なオタク共は見ないでしょうけどね。

 

 

 

*1:note:文章や画像、音楽等を発信することができるサイト。ブログやSNSのような使い方もできるが、有料で作品を提供する機能が存在したりする。私は週刊掲載の番外編という扱いで利用している。

*2:森博嗣ミステリィ作家。代表作は「すべてがFになる」から始まるS&Mシリーズやスカイ・クロラシリーズ等。