piraです。
この1週間を振り返ってみると、コロナの第3波が来てしまったなーと感じています。
感染者数が今までよりも多く、また緊急事態宣言が出てしまうのではないかと思っています。
そうなった際にこのブログも再び人生を変えたジャンルを紹介し続けるブログになるかもしかしたらしばらく休載ということになるかも……しれません。(実際ネタが無い。)
そうならないように手洗いうがいとマスクの着用を徹底して、気を付けて生活していきましょう。
本題
というわけで、本題。
先日ついに「ドラゴンクエストユアストーリー」を観ました。
この映画のことを知っている人だったらこれが2019年の映画において評価が悪い作品だということを知っているはずです。
実際自分もあまりにもユアストーリーが叩かれすぎて、「どうせ観るつもりないだろうからどんな内容だろう」と思ってネタバレを観たのですがまああのオチはドラクエでやってはいけないだろうと思っていました。
とはいってもその当時の自分はネタバレを観ただけの知識で「ユアストーリーはクソ」と言っていたのでエアプもいい加減にしろという声が聞こえてきそうでもありました。
というのも人生を変えたジャンルでレディ・プレイヤー1を紹介した時に、レディ・プレイヤー1のオチとの比較としてユアストーリーのオチを紹介したんですよね。
そこで「レディ・プレイヤー1のオチは批判されがちだけど自分は好き。でもユアストーリーはダメ」って若干蛇足気味にユアストーリーについて語ってしまったので、DQ5やってからユアストーリーを観ようと思ってユアストーリーを観ることにしました。
感想
というわけでユアストーリーの感想なのですが「原作との相違点は多いけれど映画としてはちゃんとまとまっている」と思いました。
確かにドラクエの映画として観たら「よくも酷いことをしてくれたな」と思いますけど話の流れが大衆向けの映画に近い感じなんですよ。主人公の成長とかメッセージ性のあるラストとか。
だからこそ見終わった後の自分はこの作品はすべてが悪いとは思いませんでした。
原作との相違点について
だけど、原作との相違点についてはたくさんあって特に文句を言いたい部分は2つあります。
それは「結婚前のイベント」と「ドラゴンオーブのイベント」です。
原作を知っている人ならこれら2つは重大なイベントなのでここが改変されたのはいただけませんでした。
結婚前のイベントに関しては死の火山へリングを取りに行くという結婚指輪と絡めたようなイベントなんですけど、そこで何故か原作なら終盤で出てくるブオーンが出てきて「あんだけ苦戦した奴が中ボスとして出てくるなよ」って思いました。
しかもブオーン、終盤に助太刀するんですよ。例えるならドラゴンボールでフリーザが仲間に加わるみたいな感じですよ。
確かにリングを取りに行くイベントよりはこういった大型モンスターが味方になるというのは映画的に盛り上がるかもしれませんが、正直リングを取りに行くイベントは改変してほしくなかったです。
次に「ドラゴンオーブのイベント」なんですけどこれも導入の仕方が本当に唐突過ぎて良くなかったです。
ドラゴンオーブのイベントは主人公が幼少期に訪れた妖精の国というのが関わってくるのですが、映画では幼少期におけるイベントでそこがカットされているんですよね。
そしていきなり「妖精の国に行け」ってプサン*1に言われて、そこでオチとして出てくる「(ゲームの中に)ロボットを出してくれ」っていう主人公の要望に基づいてロボット(といってもキラーマシンみたいな感じ)が出てくるんですよ。
おそらく多くの人はここで「ん?」と思ったはずです。話が唐突過ぎるのと「ドラクエの世界にロボット?」と。
そしてこれが終盤に繋がるわけなのですが。改めて観たらメッセージ性があるんですよあのラストは。
最後の「大人になれ。」について
でまあ本作が叩かれる一番の要因がミルドラースの「大人になれ。」なんですけど、
私自身「あれは事前情報なしでやられたらぶちギレるわな」と思いました。
というのもこのミルドラースって原作の姿で出てくるんじゃなくて、この世界を作ったプログラマーのような存在のキャラ(具体的に言うとドラゴンボールのフリーザの最終形態みたいな感じ)として出てきてかなりメタな発言をしてくるんですよ。
そして「暇潰しのために作った」とかとにかく嫌味ばかり言ってくるんですよね。
これは本当に反感買うなと思いました。プログラマーがプレイヤーのことを考えずにこのゲームの世界を作るなんてふざけるなって感じました。
これの比較として出したレディ・プレイヤー1のオチもプログラマーであるハリデーがプレイヤーに現実が大事だって伝えるんですけどそれこそハリデー自身「現実に居場所が無く、仮想空間に居場所を求めた結果」としてオアシズが生まれてそれからしばらくして「現実が一番リアルなんだ」って思ってプレイヤーに伝えるわけなんですけど、このミルドラースに関してはとにかく否定しかしない。「こんな世界は虚構だ、現実を見ろ」と。そりゃファンは怒ると。
しかし、自分はこの後のリュカの発言こそが本作が伝えたかったメッセージなのかなと思いました。
魂がここがいいと叫ぶ。
この「大人になれ。」に対してリュカは「確かにこの世界は作られたもの、だけどそこで経験したことは本物なんだ」というようなことを言います。
実際私はRPGが大好きですし、こういったファンタジーというものは好きです。
しかし、そういったものは架空のものであって、現実世界ではみんな魔法とか必殺技とか使えないわけですよ。
でも何故RPGが好きかと聞かれたら「その世界で自分が主人公として冒険するということが人生経験として心に残るから」だと思います。
そして多くの人がこれに近い感情を抱いただろうと思うのが、BUMP OF CHICKEN*2とポケモンがコラボした「GOTCHA」というBUMPの「アカシア」を使ったMVだと思います。
このMVを見て多くの人が「懐かしい」と思った中で「ポケモンの世界と言うのは携帯ゲーム機と言う小さい画面の中のものだけど、そこで冒険した記憶や経験と言うのはこの上ないものだった」と感じた人は多かったんです。
そしてここで本当に言いたかったことと言うのは「大人になれ。」じゃないと私は思いました。
RPG本来の楽しさである「プレイヤーがその世界での役割を演じる」それを体現したんじゃないか思いました。そしてこれこそが本作のタイトルである「ユアストーリー」なのかと。
まとめ
まあしかしこれが評価が悪くなった原因が「DQ5のアニメ映画化」というDQファンをターゲットにした映画として見られてしまったことだと思います。
実際山崎貴監督の作品ってファン向けではなくて大衆向けに映画を作っているんじゃないかなと感じています。「STAND BY MEドラえもん」もドラ泣きという言葉がファンからぼろくそ言われてるし。
でもまあ大衆向けに映画を作ったらどうしても感動とかどんでん返しとかメッセージ性のあるラストとか入れたくなっちゃうんだろうと私は思いました。
そういったこともあって本作はDQファン向けではなく大衆向けに映画を作った結果ファンからぼろくそに叩かれてしまった作品なんだろうと思いました。
私個人としてはこの映画は5段階評価で2ですかね。全部が悪いわけじゃないですし。
というわけでユアストーリーを観た感想を書いてみました。
ネタバレありで結構語りましたが、DQの映画じゃなかったらそこそこ良かったかなあと思いました。
*1:プサン:ドラゴンクエスト5に登場するキャラクター。ドラゴンオーブを失ったマスタードラゴンの人間の姿
*2:BUMP OF CHICKEN:1996年結成された日本のロックバンド。代表曲は「天体観測」や「テイルズオブジアビス」の主題歌として使われた「カルマ」など。