2月14日
JRA所属のエフフォーリア(牡5)が引退した。
今回は電撃の引退ともなったエフフォーリアの雄姿を振り返っていくことにしよう。
エフフォーリアについて
エフフォーリアは2018年3月10日にノーザンファームにて生まれた。
父エピファネイア母ケイティーズハート母父ハーツクライという血統の馬である。
馬名の由来はギリシャ語で「多幸感」その走りは多くの競馬ファンに幸福をもたらした。
彼がクラシック戦線、そして競馬界において主役となったのは2021年、ちょうどゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の配信に合わせ競馬人気が吹き返した頃の事であった。
今日における競馬人気はウマ娘はもちろんソダシやエフフォーリアを始めとする21年世代の活躍もあっての事だろう。
2021年
エフフォーリアは2020年8月にデビュー戦に勝利し、その後も1勝クラス、21年の共同通信杯と無敗で勝利を積み重ねていった。
2020年といえばコントレイルが無敗の牡馬三冠、デアリングタクトが無敗の牝馬三冠を記録した年であった。このエフフォーリアも皐月賞に勝てば無敗でのクラシック1勝目をあげるということで2番人気と人気を集めていた。
そして見事皐月賞に勝利。鞍上の横山武史騎手はこれが初のG1勝利となった。
私は当時は競馬にそこまで興味を示さなかったため、リアルで見ていたわけではないのだが、改めてそのレースを見たときにコントレイルに次ぐ無敗の牡馬三冠への1勝ということで大きな一歩となる勝利に鳥肌が立った。
そして迎えた日本ダービー、1枠1番1番人気という綺麗な並びとともに、二冠への夢が膨らんだ。
そして迎えた最後の直線、馬場の真ん中からエフフォーリアが抜け出しこれは勝ったかと思ったところに内から10番のシャフリヤールがやってくる!
そしてエフフォーリアとシャフリヤール並んでのゴールイン!勝てば無敗の二冠ということもあり世紀の一戦をその目で感じた。
長い写真判定を終え、勝ったのはシャフリヤール。エフフォーリアはハナ差の2着ということになるが、ダービーという大舞台でもその強さは遺憾なく発揮された。
その後エフフォーリアは菊花賞ではなく天皇賞秋を目標に足を進めることになる。
この年の天皇賞秋はコントレイルとグランアレグリアという当時の現役馬においてトップクラスの馬が出走しており、コントレイル、グランアレグリア、エフフォーリアの3頭が人気を集める形となり、1着はエフフォーリア、2着にコントレイル、3着にグランアレグリアという決着となった。
その日はハロウィンという事もあり、私はリアルでレースを見ていたわけではなく結果こそは知っていたものの、家に帰りレース動画を見て3頭の追い比べとなったときには「やはりこの3頭か!」という思いとともに興奮していた。
そして当時3歳馬だったエフフォーリアの勝利。これは父父であるシンボリクリスエス以来19年ぶりの快挙となった。
そしてその調子のまま、エフフォーリアは有馬記念へと向かっていった。
迎えた有馬記念では人気投票にて1位を獲得。グランプリ*14連覇をかけて最後のレースに臨むクロノジェネシスとの世代対決となった。
エフフォーリアはクロノジェネシスについていき見事に差しきり先頭に立ち、有馬記念も勝利を掴み取る。
こうしてエフフォーリアは3歳にして当時の現役トップクラスの馬相手に勝利を掴みついたあだ名が「撃墜王」
飛行機雲が由来のコントレイルを倒したことからF-4戦闘機に連想を受けての異名であった。
2022年
クラシック戦線での活躍と天皇賞秋や有馬記念の勝利といった功績がたたえられエフフォーリアは2021年度の年度代表馬にまで選ばれた。
そんなエフフォーリアの次の舞台は春のG1大阪杯、初の阪神競馬場ではあるもののコントレイルらの引退により世代最強から一気に現役最強馬とまで評価されたエフフォーリアの出走には大きな期待が膨らんだ。
大阪杯では単勝1.5倍の1番人気にまで支持さえ、金鯱賞の勝ち馬にしてライバル候補とまで言われたジャックドールとの対決が注目を集めた。
そしてレースがスタートし、4コーナーまで向かったところで事態は急変する。
エフフォーリアは中団でもまれていたのである。
これには場内も大きなどよめきが起き、レースを見ていた自分も驚きの声を隠せなかった。
結果は9着。勝ったのは8番人気のポタジェであった。
あれだけ強かったエフフォーリアが初めて着外で負けたということもあり様々な敗因が考えられた。(初の阪神ということやエピファネイア産駒早熟説や両隣が牝馬で興奮したとか色々あるが真相は分かっていない)
そしてこの日から競馬ファンはエフフォーリアが現役最強馬として復活する日を夢見るのであった。
次走は宝塚記念となり事前のファン投票ではタイトルホルダーに次ぐ2位となったが、1番人気にまで支持され復活をかけた一戦に臨むことになった。
しかし、大阪杯同様のハイペースでのレース展開についていけず、6着。復活とはならなかった。
その後有馬記念まで長期休養を挟み、5着に入着。横山武史騎手も手ごたえを掴んでおり復活の兆しが見え始めたと思われた。
2023年
2023年の初戦エフフォーリアは京都記念に向かう。京都記念では22年のダービー馬ドウデュースや21年のホープフルステークスの勝ち馬キラーアビリティなどが出走するなどG2ながら豪華メンバーが揃うレースとなった。
私は1月に競馬で負けすぎてひどく癇癪を起してしまったこともあり、しばらく競馬をやめようと考えていたのだがエフフォーリアが出走するだけあってこのレースにエフフォーリアの復活を強く望みながら見ることにした。
そしてエフフォーリアはスタートしてしばらくは先頭に立った。この瞬間私は「今度こそエフフォーリアは復活する」そう信じた。
しかし、4コーナーに入ってからエフフォーリアは急速に下がっていった。
初めは大阪杯の時のように馬群にもまれたような形で終わったかと思いドウデュースの勝利で終わったかと思われた直後にテレビにエフフォーリアから降りた横山武史騎手の姿が映し出された。
故障が心配されたがそういった印象はその時はあまり感じなかった。
そして検査の結果心房細動を発生していたことが分かった。レース中に心房がリズムを保てず、走れなかったのだ。
心房細動は発作性のものが多いが、まれに持続性のものもあるという。
エフフォーリアがどちらのものかは分からないが、ハイペースでのレース展開や慣れない環境でのレースなどから心房細動を発症した可能性があると私は考える。
こうなってくると今後の競走馬や種牡馬として生命にも影響を及ぼす可能性があるから今回引退となったのではないだろうか。
まとめ
あれだけ強かったエフフォーリアの引退は私にとって本当に辛い出来事だと思った。
そして何より彼が復活する日が来るのを今か今かと夢見ただけありそれが潰えたのは悔しい。
種牡馬としての人生を歩むことになったエフフォーリアのこの思いを産駒達が受け継ぎ、新たな世代の活躍につないでいってほしい。
予告
piraです。いやーエフフォーリア引退辛いですね。
おっとっと、こんな空気の中であれなんですけどこの場を借りて一つお知らせしたいことがあります。
2月23日に大きな発表があります。正月に発表した東京入りの件についてです。
今回はかなり大きなものになるんじゃないかなーと思っています。
まあ、気長に待っていてください。