人生を変えたジャンルpart24:タイトルホルダー編

前回↓

 

pira365.hatenablog.com

はじめに

今回の人生を変えたジャンルに入る前に一つお話をしたいことがある。

2024年1月1日、石川県能登地方を震源とした大きな地震(令和6年能登半島地震)が発生した。

能登では震度7を観測。新潟では震度5強を観測した。

そして大津波警報津波警報が発令され、私が住む地域も避難対象に指定された。

この地震を経験した際、私は「東日本大震災」の時のことをすぐさま思い出した。

あの時もかなり大きな地震が来た。そして今回は感覚としてそれ以上の強い地震が来た。

そして津波警報の発令、避難の呼びかけなど、そうした大きな災害の当事者になってしまったということに対しかなりパニック状態になっていた。

実際、自分自身も推しの事を考える余裕など全くなく、「あの時、ファイアーエムブレムで人生が変わっただろ」などと思っていた自分にはそんなことをする気力すらない状態であった。

今後も災害には十分警戒しつつ、安全に暮らせるような社会が訪れることを心より祈りたい。

本編

さて、今回紹介するのは昨年引退した競走馬「タイトルホルダー」である。

db.netkeiba.com

ドゥラメンテ*1メーヴェ母父Motivatorという決定を持ち、名前の由来は父がクラシックの2冠馬であること、母父、二代母父もダービー馬であることから「選手権保持者」を意味するタイトルホルダーという名を付けられた。

このタイトルホルダーという馬は私の好きな馬の一頭であり、初めて推し馬の領域に達した一頭であるともいえる。

現在の私のX(旧Twitter)のアイコンにもこのタイトルホルダーのぬいぐるみを利用させていただいている。

今回は、タイトルホルダーとの出会い、タイトルホルダーという名を背負った者たち、タイトルホルダーを好きになったきっかけ、そして推しへと至った経緯などをなるべく明るく紹介していく。

辛い時だからこそ推しプレゼンだけは楽しくやりたい。そんなわけではじめていこう。

タイトルホルダーとの出会い

私とタイトルホルダーとの出会いはおそらく皐月賞だと思われる。

思われると書いたのは2021年の春ごろにウマ娘の影響でリアル競馬を追うようになったのがソダシの桜花賞であったため、その翌週に当たる皐月賞も自然と見ているであろうことからである。

ただこの時は競走馬についてはあまり知識もないため勝ち馬であるエフフォーリアの名前すら覚えられないし、なんか無敗で滅茶苦茶強いんだなぐらいにしか思っていなかったような気がする。(前年のコントレイルが無敗の三冠馬だっただけあって今年も無敗の皐月賞馬誕生みたいな煽りはあった気がする。)

そしてタイトルホルダーを競走馬として認識するのは日本ダービーからである。

この頃からようやくエフフォーリアの事も競走馬として認識するようになり、エフフォーリアの二冠に期待が高まる中、このタイトルホルダーという馬を見たときに第一印象として「名前が強そう」と思った。

「タイトルホルダー」と言葉だけを聞くとプロレスやボクシングといった格闘技の世界チャンピオンや将棋の藤井聡太のような数多くのタイトルを持つ強者を(競馬を知らなくても)名前から想像できるだろう。

競馬を知らない人に(同世代馬の)エフフォーリアやシャフリヤールと言ったところでその馬の強さを認識できるかと言われたらおそらくタイトルホルダーという名前の響きにはやや低く感じてしまうと私は思う。

しかし、タイトルホルダーは日本ダービーでは6着という結果で終わってしまう。

そしてタイトルホルダーは続く秋のセントライト記念でも13着と名前とは裏腹に芳しいとは言えない成績を残すことになった。

その名を背負う者たち

そんな強そうな名前に聞こえるタイトルホルダーだが、実は過去にタイトルホルダーという名を持った競走馬は地方馬も含め2頭存在した。(なおばんえい競馬にも1頭存在した。)

それが95年生まれのタイトスポットを父に持つ盛岡競馬所属の地方馬と、2007年生まれのスペシャルウィーク*2を父に持つ中央競馬所属馬の2頭だ。

しかし、95年生まれのタイトルホルダーは成績は8勝2敗。

2007年生まれのタイトルホルダーは2戦0勝2着1回とどちらも良い成績は残せずに競走生活を終えてしまった。

そして2021年世代のタイトルホルダーはクラシック戦線においては同世代馬エフフォーリアの存在もあってか、皐月賞日本ダービー共に8番人気とあまり支持を得るまでは至らなかった。

2021年菊花賞

だがそんなタイトルホルダーが次に向かった先は菊花賞

最も強い馬が勝つとまで言われる芝3000mの長距離レースであった。

この年の菊花賞は世代最強とまで言われたエフフォーリアが天皇賞秋を目指すこと、ダービー馬のシャフリヤールは秋の神戸新聞杯での敗戦から菊花賞を回避し、ジャパンカップへ。

同世代G1馬、ダノンザキッド、グレナディアガーズ、シュネルマイスターらはそれぞれ短距離マイル路線へと進むことになり、G1馬不在のレースとなった。

そのためこのレースは下馬評においては「どの馬が勝ってもおかしくはない」とまで思い、予想は波乱を極めた。

そんな中私がタイトルホルダーを推すに至ったのは一つの動画からである。

それが、今もなお続くお笑い芸人霜降り明星粗品氏による「生涯収支マイナス1億円君」である。

youtu.be

マイ億君記念すべき最初の動画となったこの動画にて本命に選ばれたのがタイトルホルダーだった。

本人は「生涯収支マイナス1億円君なので来ません」だの「消去法で使ってください」などと本馬を危険馬として指名。

後に「粗品の呪い」とまで言われるまでに本命馬が来ないことが続いた。

しかし、この菊花賞予想を見て私は「もしかしたらタイトルホルダーはあるのではないか?」と思った。

それは単純に名前が強そうという理由で選んだのもあった。

そして日曜の昼ぐらいまで悩みに悩み、最終的に1番人気にまで支持されたレッドジェネシス単勝オッズ3.9倍)とタイトルホルダー(単勝オッズ8.0倍)の2点で勝負をした。

そしてレース開始、タイトルホルダーは3000mを逃げに逃げた。

この逃げで自身のペースを作る走りというのがタイトルホルダーの特徴ともいえ、1998年の菊花賞にて見せたセイウンスカイ以来の逃げ勝ち*3を演じてみせ、G1タイトルを掴むに至った。

そしてこの勝ちが私にとってギャンブルで初めて大勝ちをした瞬間でもあった。

(細かく言うと2000円が8000円になった。)

それもあってかその後の週末は焼き肉でも食べるということになり、酒池肉林を満喫した。(のちに大失態を招くことになるのだが)

そしてこの予想においてマイ億君こと粗品は的中したかというと「そもそも買っていなかった」ことが判明する。

youtu.be

 

そしてこれ以降「買わんかったら来るし、買ったら来ません」というフレーズが生まれ、ボケェイと言い続ける日々が続くことになるのである。

やがて推し馬へ

その後、タイトルホルダーは続く有馬記念にて不利な外枠も相まって5着となるも翌年から活躍を見せる。

怪我の影響もあり2022年は3月から始動し、G2日経賞にて1着。

その後も天皇賞春、宝塚記念を勝利し、G1タイトルを積み重ねこの頃には(タイトルホルダーは)世代最強とまで言われるようになる。

そして宝塚記念を制したタイトルホルダーは凱旋門賞のタイトルを目標に駒を進めることになる。

この時タイトルホルダーは世界レーティング4位タイにまで支持され、この年のダービー馬ドウデュースやディープボンド、ステイフーリッシュら多くの日本馬の参戦もあり、史上初の日本馬による凱旋門賞制覇に期待が高まった。

そしてレース当日、タイトルホルダーは先頭に立ち最後までペースを作るも大雨による重馬場の影響もあり、11着の敗戦。

続く有馬記念もイクイノックスの猛追に敗れ9着で2022年を終える。

そして2023年日経賞を2年連続で制覇。これがタイトルホルダーだと見せつけんばかりの走りを見せ天皇賞春へと向かう。

日経賞に続き2連覇へ大きな期待が高まったこともありタイトルホルダーは1番人気(単勝オッズ1.7倍)に支持されたのだが、4コーナーにて競走中止となる。

そしてこのレースが私にとってタイトルホルダーが改めて推し馬であることを認識させることになった。

レース当日、私は新潟競馬場にてそのレースを見ていたのだが競走中止になった後少しして京都記念にて引退したエフフォーリアのことを思い出した。

このエフフォーリアの主戦騎手である横山武史はタイトルホルダーの主戦騎手を務めていた横山和生の弟にあたり、別れ際に際してものすごく泣いていたことが印象に残っておりそんな引退から間もない出来事というのもあり、ちょうどレースが終わって帰ろうとしていた際、おじいちゃんが「横山の兄弟、大丈夫かねぇ・・・」などと口にしているのを耳にしてはだんだんと涙が抑えきれなくなり、その日は泣きながら新潟競馬場を後にした。

人生、変えてくれ

天皇賞春での怪我の影響もありタイトルホルダーは宝塚記念を回避し秋の初戦をオールカマーにて迎えることになる。そしてそのオールカマーにて2着と復活の兆しを見せ

続くジャパンカップではイクイノックスやドウデュースといった22世代馬や三冠牝馬リバティアイランドなど豪華メンバーが集うレースとなり、レベルの違いを感じつつも5着。タイトルホルダーはいよいよ世代の波に飲まれていくことになる。

そしてタイトルホルダーは有馬記念を最後に引退を発表。

有馬記念当日には引退式も行われるということで、タイトルホルダーの有終の美を見届けるべく、必死に応援した。

そしてこの日はちょうどM-1グランプリが2006年以来17年ぶりにクリスマスイブの開催ということもあり有馬記念と同日に行われることもあった。

そしてM-1がやたらと「人生、変えてくれ」*4と煽るせいもあって私は最後のタイトルホルダーの走りに人生変えてくれとまで思った。

そんなわけで本命はタイトルホルダーとなった。正直ドウデュースとも悩んだのだが、ここはタイトルホルダーを信じるしかないと思った。

そして迎えた有馬記念。タイトルホルダーは後続を大きく突き放しレースを進めた。

そして自身のペースに持っていきながら最後の直線。

この時はタイトルホルダーを必死に応援するしかなく、枯れるまで応援した。

人生、変えてくれと本気で思った。

結果は3着。最後まで粘りを見せての3着となった。

そして(勝ちはしなかったものの)人生を変えてくれたかのような名勝負にもなり、本当に良いレースだったと思った。

まとめ

タイトルホルダー編、いかがだっただろうか。

タイトルホルダーに限らず昨年は最強馬イクイノックスの引退からエフフォーリア、ソダシ、パンサラッサ、ウインマリリンなど多くの馬が引退することとなった。

引退というのはファンにとって辛い出来事ではあると思うが、私たちはそうした名馬の名前や活躍を語り継いでいくことが大事であろう。

タイトルホルダーも種牡馬として生活することとなり、近い将来タイトルホルダーの子供がレースを走ることが期待される。

そうした際、思い出してほしい。

その名の下に、様々なタイトルを掴み取った名馬がいたことを。

その名は、タイトルホルダー

 

*1:ドゥラメンテ:2012年に誕生。2015年に皐月賞日本ダービーを制したが、翌年宝塚記念にて競走能力を喪失する怪我を負い引退。その後は種牡馬としてタイトルホルダーや三冠牝馬リバティアイランドを輩出するも9歳という若さでこの世を去った。同世代馬にはキタサンブラックがいる。

*2:スペシャルウィーク:1995年生まれの競走馬。競馬界のレジェンド騎手武豊が初めて日本ダービーを勝った馬としても知られ、ウマ娘プリティーダービーにおいても看板的存在のウマ娘の一頭となっている。

*3:なお、その時の鞍上は横山武史の父横山典弘である。

*4:人生、変えてくれ:2021年のM-1グランプリにして使用されたキャッチコピー。のちに2022年、2023年のポスターにも使用されている。