何故今年24時間テレビの裏でバリバラは放送されないのか。考察してみた。

コンコンコン・・・

pira:はい、どうぞ。

この日、我々スタッフは急遽呼び出された。

合図とともに扉を開けると、なんだか懐かしい香りがする。

「こうして、君とお会いするのは1年ぶりかな?ザラブ星人*1さん。」

「いやいや、今の私はただの人間ですよ。」冗談交じりなやり取りとともに私は思い出す。

昨年我々はpiraを拉致監禁し、ひとつの原稿を書かせた。

その原稿は悉くも破れさられ、毎年の夏の話題にはもう一切触れない。

そんな誓いとともに1年を共に過ごしてきた。

そして1年後、私はpiraから逆招集がかけられたのである。

「さて、こうして君を呼んだのは他でもない。」

piraはそういうと一つの表を差し出した。

「この番組表は8月26日、27日(例の夏の終わり)の各テレビ局の番組表だ。これをよく見ていただきたい。」

「例年行われてきた24時間テレビ裏のバリバラの放送が、今年は無いのだ。」

「へぇ、それは良かったですね。夢が叶ったようなもんじゃないですか。」私はややおだてるようにして言う。

「まあな。ただ、私としてはこれはα世界線からβ世界線に変わったぐらいの些細な出来事だと思っている。相変わらずアンチの人達はやれ感動ポルノだのギャラがどうだの批判したがるだろう?」

「それで果たしていいのだろうかとかれこれ8年近く言い続けてきているわけなのだ。」

なるほど。と思いながらじっくりと顔を見つめてみる。

piraの顔からは相変わらず夏の終わりに障害者が話題になることに大して怒っている。そんな風に思えた。

「さて、今回こうして呼び出したのは何故今年24時間テレビの裏でバリバラが放送されないのか。それにはいくつかの理由があるのではないかと思い、考えてみたというわけだ。今回はそんな私の考察を語ることにする。」

「考察って笑」私は若干煽り気味に笑ってみる。正直考察系YouTuberにろくな奴などいない。フォロワー4桁でイキがっている奴が調子乗って考察とか正直馬鹿馬鹿しく思える。

「お前。今、心の中で俺のことを馬鹿にしただろ?」piraが威圧的な目でこちらを見つめる。

「いえ、別に。」私は目をそらす。

「まあ、素人意見なのは承知なので、ここからは私の勝手な考察を聞いていってほしい。」

ってなわけで茶番はこれで終わりにするからスタッフはそこで黙っていてくれ。

考察1:メインパーソナリティ

さて、ここからは真面目にやるとして。

まずバリバラが放送されない理由その1。それは今年のメインパーソナリティにあると思います。

今年のメインパーソナリティはジャニーズの「なにわ男子」なわけなのですが、実はこのなにわ男子はバリバラ出演経験があったりします。

今年の3月には西畑さんが昨年夏のテーマとしても行われた「#ふつうアップデート」の回にて出演。

そして西畑さんの出演以外にも2019年には藤原丈一郎さんが障害者の職場を題材としたドラマにおいてサポートマンの役として出演していたりもしました。

ジャニーズのタレントでバリバラ出演経験があるのはなにわ男子だけでなく、ちょうど性加害問題が話題となり始めた頃ぐらいに関西ジャニーズJr.の方が出演されていたり(2019年のなにわ男子も元はというと関西ジャニーズJr.時代の出演)とジャニーズタレントのバリバラ出演というのは近年になって少しずつ増えてきたと思っています。

そうした中で出演経験のあるなにわ男子が今回メインパーソナリティを務めるということは私はなんらかの橋渡しになればいいなと思っています。

そしてアンチの人達がバリバラで性加害問題に触れろとか言ってて馬鹿馬鹿しく思います。あいつら絶対なにわ男子が出演していたってこと知らないだろうし。

考察2:NHKの放送開始周年イヤーによる他局とのコラボ

そして2つ目の考察なのですが、今年はNHKがテレビ放送を開始して70年目の節目の年となります。それによりNHKは他局とのコラボレーションを積極的に行っており、日テレとのコラボウィークや7月に放送されたFNS27時間テレビではMCを務めるかまいたち濱家さんの「Venue101」とのコラボでビートDEトーヒを披露したりなど、放送開始周年イヤーの今年は民放各局とのコラボが多く、テレビ好きの間で話題になっていたりします。

そんな中で大阪のもん*2がコラボをしている日本テレビに対して喧嘩を売るような番組を作るわけにはいかないと思うんですよ。だからこそ今年は24時間テレビの裏で放送できなかったのだと思います。

そしてこれは上のメインパーソナリティとも絡むのですけれども、24時間テレビNHKがなんらかの手を組んで、感動ポルノ批判など跳ね返すような良い方向へ共に作り上げていければいいなと思っています。まあ喧嘩するより仲良くしましょうやって感じです。

考察3:MCの方の投稿や制作スタッフの気づき

そして3つ目。これはおそらくなんですけれど番組MCや制作スタッフも「バリバラは24時間テレビの時でないと話題にならない」ということに薄々気づいているのではないかと思っています。

これは昨年の夏の時期にMCの一人であるあずみんさんによって投稿されたツイートなのですが、これを見る限り出演者も24時間テレビの時しか話題にならないということに対して最近は問題視しているように感じます。

あずみんさんの関連ツイートを見ていると「バリバラは「VS」ではなく「With」である」ということ、24時間テレビの裏に放送する理由に関しては「障害者が注目される2日間だからこそ知ることが大事」と述べていたりするわけで。

しかし、7年やっても「知る」から先のステップへは進めていないということ、バリバラが24時間テレビの裏番組として捉えられてしまっているということはMCとしては良くない結果になってしまったと思っていると私は考えています。

また、レギュラー放送のバリバラが話題にならない件に関してはあずみんさんの発言以外にも2020年ごろにせやろがいおじさんさんが桜を見る会24時間テレビ裏の時しか話題になっていないことに言及していますし、昨年夏の放送の最後にはレモンさんがバリバラは毎週金曜22時30分放送ということを述べていたのを覚えています。

このことから番組制作側も24時間テレビ裏でしか話題にならないことに対してやや疑問に思うようにはなってきたのではないかと思っています。

ただ、こういうと「バリバラは24分テレビとか2.4時間テレビとかあからさまに対抗意識燃やしてますやん。」とか書かれると思うんですよ。確かにあの夏に煽り立てるバリバラは対抗意識燃やしていたと思いますし(だからこそ毎年疑問に思っていたわけだし)それ故にアンチ24時間テレビの人達がバリバラを持ち上げるようになってしまって・・・

で、私が思うのが彼らはただ単に24時間テレビが嫌いなだけで障害者の事なんかそんな深く理解しようなんて思っていないんじゃないかって思うんですよね。

だからこそ毎年のように特番をやって話題を作るも結局は同じ穴の狢というかミイラ取りがミイラにといった感じで24時間テレビとさほど変わらなくなってしまったことに対してやっても無駄だったと気づいたんでしょうかね?(おそらくそう思ってない可能性もあるけれど)

考察4:そもそも特番の計画が無かった

多分これが一番正しいんじゃないかと思うんですけれど、今年は番組編成の過程で特番の計画が無かったんじゃないでしょうか。

昨年の特番は夏の風物詩のふつうをアップデートってことで6月頃にWebサイトにて募集が行われていて(おそらくこれが昨年夏のテーマなんだろうなと募集時に思ったりもした。)、それで夏の特番が日曜の午後に放送されました。

そして今年は何の予告もなく、前日の放送も無しということでおそらく計画が無かったんだと思います。

ただこれも一つ例外があって、2年前の夏は確か1週間前に情報が解禁されて、SDGsをテーマに放送されたりなんかもしました。

この時も2.4時間テレビってタイトルだったと思うんですけれど、昨年夏の特番は24時間テレビへの対抗といった感じではなく、だんだんとバリバラが24時間テレビの裏番組としてみられていることに対して制作側も疑問を持つようになっていったのではないでしょうか?

それか番組スタッフが入れ替わったことで他局を煽るような番組編成がしづらくなったとか・・・真相は謎ですけれど。

まとめ

以上の4つが今年24時間テレビの裏でバリバラが放送されないことに対する私の考察なのですが、どうでしょうか?

メインパーソナリティの方がバリバラ出演経験のある方であることや、NHKの民放各局とのコラボなど、それぞれがなんらかの相乗効果を生み出してくれることを期待しています。

そして24時間テレビは近年、障害者の感動ポルノ路線はやや薄れてきているように思えます。

スペシャルドラマも昔よりテーマが多様化してきましたし、障害者以外にも題材は増えてきました。

そして何よりテレビ好きな方々の24時間テレビに対するツイートの方がアンチ24時間テレビよりもよっぽどまともだなあと思いますし、放送が近付くたびに感動ポルノだのギャラがどうのと叫んで結局は障害者に対して深く知ろうとしないアンチよりかは募金活動などなんらかの行動を起こす視聴者の方が最近はまともだと感じることもあります。「やらない善よりやる偽善」(ぶっちゃけこの言葉はあまり好きじゃないが。)じゃないですけれど何もしないよりかは行動を起こして障害を持っている方とかマイノリティの方に対して深く理解しようという気持ちと勉強する姿勢を持つことが大事だと私は思います。

あと24時間テレビを批判するのなら中身ちゃんと見ようねとは思います。そういう意味でもテレビ好きの方の24時間テレビに関するツイートはかなり参考になります。

ってなわけで今年は24時間テレビ裏でバリバラが放送されない世界線になったわけなのですが、あの2日間に限らず、(感動ポルノだの言うぐらいならば)お互いが寄り添い合える社会を考えていけるように皆さんで考えていければいいなと思います。

今回のブログは以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

*1:ザラブ星人ウルトラマンに登場するウルトラ怪獣。凶悪宇宙人の異名を持ち、作中ではにせウルトラマンに変身し地球人への信頼を削いだ。「シン・ウルトラマン」では津田健次郎が演じている。

*2:バリバラはNHK大阪放送局制作である。