part5。
前回↓
part4以降なぜか続くことになってしまった(人生を変えたわけでは無いのに)好きなものを紹介するこのコーナー。
今回のテーマは「ハースストーン」
Blizzard Entertainment*1がリリースしているオンラインカードゲームだ。
オンラインカードゲームとはPCやスマートフォンを利用するトレーディングカードゲーム(TCG)のこと。
紙のTCGとの違いはデッキ*2を持ち歩く必要がないことと、いつでもどこでも相手と対戦を行うことができることが魅力だ。
近年「e-Sports」*3と称して、デジタルゲームの競技性が人気を集めているが、このハースストーンも大規模な世界大会が行われる程の高い競技性を持つゲームである。
私はこのゲームを4年程前から本格的に始めており、最高ランクであるレジェンドに到達するほどの腕前を持っていたりする。(最近はランク3止まりであることが多いが)
今回は、改めてハースストーンとの出会いや思い出を語っていきたい。
ハースストーンとの出会い
私がハースストーンと初めて出会ったのは5年前の10月の事である。
Twitterのフォロワーさんの多くがハースストーンというゲームが日本語化されたので遊んでみたという人が多く、デジタルのカードゲームということでカードゲームに興味があった自分もやってみようかなあと思った次第であったりする。
その当時はデジタルカードゲームというのは、デジタルゲームのジャンルとしては真新しいジャンルで(それ以前にPC版のMTGである「マジックオンライン」とか遊戯王オンラインやADS(非公式であるが)なんかがあったりしたけど、いずれも紙のTCGが基だったりするので、真新しいと言えるだろう)、私はふとあるゲームの事を頭に浮かべながら興味を持った。
そのゲームというのがFE編の時に紹介したモンスタードラゴンである。(FE編を参照)
デジタルのカードゲームと聞いて私は「これモンスタードラゴンや!(SRPG要素は無いけど)絶対やる!」と思い、私の大好きなFEのキャラであるニノを名乗り、始めることにした。
しかし、その当時はカードゲームは弱く、無課金でちょっと遊ぶかぐらいに考えていてランク戦とかは一切やらず適当にデッキを組んで遊んでいたりした。
私がハースストーンを本格的にやり始めたのはそれから半年後の事であった。
シャドウバースの登場
2016年の6月。Cygamesよりあるゲームが登場することになる。
それが「シャドウバース」
ハースストーンと同じデジタルカードゲームで、日本向けにアニメ風のイラストや豪華声優を多用し、リリース直後の大学時代に学内で遊んでいる人を見ない日は無いというぐらい人気を集めていた。
私も一時期はシャドウバースを始めようかな~と思ったりもしたのだが、その当時はやめていた。
というのも当時自分は大学内でも浮いている存在であり、音ゲーの話をしては段位差別されたり、ボドゲサークル内でも孤立するぐらいの人間だったのである。
そして何より、シャドウバースをプレイしている層はイキリオタクが多いと思っており、カードゲームに関してはクソ雑魚であった当時の私にとって敷居が高い存在に感じていた。
しかし私はシャドバをやりたいと思いつつ、雑魚だからどうしようと思って考えたのが、「ハースストーンでカードゲームの練習をしよう」ということだった。
そしてその時にランク5*4に行くことを目標にし、ハースストーンを本格的に始めた。
その当時というのが旧神のささやきが出てしばらく経ったころということもあり、初めはクトゥーン*5を軸としたデッキを使うことにした。
そして私が最初に作ったデッキは「クトゥーンプリースト」だった。
当時の環境ではプリーストは弱いクラスと言われていたのだが、私がプリーストを選んだ理由として、日本語化されて遊んでいた頃にプリーストが強かったという印象を持っていたからである。(ノースシャイアの聖職者*6や聖なる勇者*7による回復シナジーで戦うのが強いと思った。)
しかもあの当時はTier表*8とか見たりせず、環境についてろくに調べていなかったので、
低資産でも楽しく遊べたクトゥーンデッキは無課金時代の主軸となっていった。
俺が指揮を執る!
おそらく私が環境デッキというものを握り始めたのは「仁義なきガジェッツァン」辺りからだったと思われる。
この拡張にて、1年近くにわたってスタンダード環境の指揮を執ったあるカードが登場する。
それが「海賊パッチーズ」*9
とにかく海賊ウォリアーが強い言われてて、だったら自分も使おうかなと思い、使うことにした。
そしてトンネル・トログやブラン・ブロンズビアードを手に入れるために探検同盟を進めたりして環境デッキを握り始めるようになっていった。
そして3月。ここで初めてランク5に到達する。
その時の喜びはこの上なく、自分はようやく雑魚ではなくなったということに感激していた。
それから私はシャドウバースをちょっとだけ始めた。(この頃と言うと「神々の騒乱」~悪評高い「ワンダーランドドリームズ」辺りだと思う。)
マンモス年~ハースがまだ楽しかった頃~
そして年度が変わり、マンモス年が始まる。
あの当時のハースは今でも楽しかったと感じている。
ベンブロードがラップを上げたり、ある配信者の影響からフリースタイルダンジョン(もちろんそれ以前からはまっていたが)を見たり、NCSを聴き始めたりハースから広がった世界というものもあった。
あとはウンゴロ環境はウォーロックを除いてほとんどのデッキが環境にいたことや、じゃんけんのような3すくみでメタがグルグル回って読みづらかったのも良かった。(これを批判する人も中にはいたが)
しかし、生活面はどうだったかと言われると生活が破綻するほどハースにのめり込んでいたのは言うまでもない。
というのもあの当時は仕事をしながら「凍てつく玉座の騎士団」の発表を心待ちにしており、ハースの情報を今か今かと待っていたりした。(初公開された日は会社の同僚と飯を食いながらスマホで情報漁っていたのを覚えている。それぐらいにはハースに生活が侵蝕されていた。)
まあその結果会社をクビになった。(発達障害の虚偽申告が理由ではあるが、ゲームで生活に支障が出たのも否定はできない。)
それからドルイド1強の時代がやってくるのだけれど、1か月近くはやっておらず
練気のナーフが来るまではやっていなかった。
正直あの当時は「仕事が見つかるまではハースをやめようかな」ということを考えてはいたのだけれど、シャーマンの呪術やウォリアーの烈火の戦斧といった基本カードが色々ナーフされて結構驚き、戻ってきてしまったのである。
ワタリガラス年~そしてレジェンド到達へ~
そしてワタリガラス年が始まるのだが、ワタリガラス年の年度初めは生活面で大変な時期だったこともあり、遊んではいなかった。
この年のスタンダード環境といったら何と言っても「奇数」と「偶数」だろう。
妖の森ウィッチウッドにて追加された「月を喰らうものバク」と「ゲン・グレイメイン」は1年間環境を支配し続けた。
開発者としてはこれらのデッキに関しては以前より存在したハイランダーデッキ*10のようなものを想定しており、「奇数デッキ」「偶数デッキ」「それ以外のデッキ」というデッキの多様性を想定していた。
しかし、奇数偶数は想定以上に強かった。
それと同時に奇数偶数デッキはハイランダー以上にデッキ構築の幅を狭めてしまう弊害があり、ウィッチウッド以降のカードを軸としたデッキがその当時なかなか使われないという結果を招いてしまった。(ドラゴン年になり流行り始めた「メカハンター」なんかがその例だろう。)
その結果、わずか1年という異例の速さでスタンダード環境から離れることになった。
さて、その当時の私は主に奇数パラディンを使用していた。
パラディンは奇数偶数ともに動員やレベルアップ等キーカードがナーフされ続けたが、その強さは衰えなかった。
そしてスタン落ちまであとわずかの3月末、私は初めてレジェンドに到達する。
本当に嬉しかったし、「俺はレジェンドだぞ!」とついイキってしまうぐらいには興奮していた。
ドラゴン年~環境のインフレ化~
「俺はレジェンドだぞ!」とイキりながら迎えたドラゴン年。
この辺りでハースに対するモチベーションはやや燃え尽きた状態になっていた。
その理由としてレジェンドに到達したことによる喪失感があったことが強い。
しばらく目標が無い状態でハースをやっていたこともあり、どうしようかを考えていたところ「目標は無くても楽しめればいい」と考えるようになり、そこまでランクに拘りを見せなくなっていったと思う。(とはいえ毎月ランク5は目指すけど)
あとこの年と言うと環境のインフレと、開発陣に対するネガティブなコメントが増えてきたことが印象深い。
マンモス年のカードがスタンダードから無くなったこともあり、環境はやや落ち着くと思われたのだが、それ以上に強いカードが増えてきたこと。
ガラクロンドシャーマンが開発時に強いと分かっていながらあのカードパワーで出されたことなどは疑問に思えた。
しかしそれで楽しくなかったかと言われたら私は楽しかったと思えた。
環境に関しては少々疑問に思う点もあったけれど、楽しくないと思ったら離れようとは思ったけど、ハース以外にやるものが無かったのもあって逃げなかった。
その一方、ネガティブなコメントを見る度にイライラしたことはあった。
「お前まだそんなクソゲーやってるの?」みたいな目で見られているような気がして辛かった。
正直アヤラ構文*11とか初めは面白がっていたが、見る度に呆れた表情をしていた。
そしてフェニックス年
そして今年はフェニックス年がやってくる。
本発表以前に関係者を集めたハースストーンサミットが開かれ、そこでの発表から
「ハースストーン2.0」と言われた新年度の発表は期待が高まる内容だったと言える。
何と言っても新クラス「デーモンハンター」の追加は予想できなかった。
栄誉の殿堂に関しては予想通りというか納得できる内容だったが、
プリーストが大きく変更されるのには衝撃を受けた。
また、ビギナー用のランクをクリアすれば、競技用デッキが無料配布されるという新規層や復帰層に嬉しい特典もあるということなので、興味があったらハースストーンの世界に触れてみて欲しい。
以上でハースストーン編は終わりとなる。酒場の親父の声が聞こえてきそうだ。
*1:Blizzard Entertainment:1991年に創業したアメリカのゲーム会社。Hearthstoneの世界観の基となったWarcraftシリーズをはじめ、ハックアンドスラッシュゲームのDiablo、FPSゲームのOverWatch等世界的人気を誇る作品が多い。
*2:デッキ:カードゲームにおける1セットの組のこと
*3:e-Sports:デジタルゲームを野球やサッカー等のスポーツとして捉える名称。ハースストーンのようなデジタルカードゲームから、一人称視点で銃撃戦を行うFPS、チームで協力して相手の陣地を落とすMOBAなどが人気を集めている。
*4:当時のランクではランク5に到達することが脱初心者のラインと言われた。
*5:クトゥーン:「旧神のささやき」の目玉カード。最高レアリティであるレジェンドカードであるこのカードは、当時ハースストーンをプレイしているすべてのプレイヤーに対して配布された。
*6:ノースシャイアの聖職者:プリーストの基本カード。惜しまれながら栄誉の殿堂入りを果たす。
*7:聖なる勇者:グランドトーナメントにて登場したプリーストのカード。はーい、この指何本に見えますかー?
*9:海賊パッチーズ:当時のアグロデッキにはほとんどの割合で海賊パッチーズとそれを呼ぶための海賊がセットで入っていた。次期拡張である「大魔境ウンゴロ」にて「海賊を喰う蟹」こと「ゴラッカ・クローラー」が登場するのだが、突撃が消える2018年2月頃までその勢いは衰えなかった。
*10:ハイランダーデッキ:デッキに重複するカードが存在しないデッキの事。
*11:アヤラ構文:ハースストーンのゲームデザイナーを務めるDean Ayala氏がネット上でのプレイヤーとのやり取りにおいて発言したもの。「強すぎるって悪いデザインかな?」や「どうしたらハースストーンに戻ってきてくれる?」なんかが有名